現職教員の教育相談に対する認識を深める研修の試み

Practice of the Seminar to Improve Teacher’s Understanding about Educational Counseling

笠井, 孝久

KASAI, Takahisa

[要約] 本研究では，現職教員の教育相談に対する認識を向上させる研修を実施し，その効果を検討した。はじめに，研修でのワークを通して，現職教員の教育相談についての認識のデータを収集し，そこから自らの教育相談の力を判断する視点や基準を持てていない教員が多く存在することが明らかになった。また，教育相談という活動の明確なイメージを持てていない教員が少なからずいること，ある程度のイメージは持っていても，その内容は教員によってかなりの違いがあることが推察された。このような現状には，教育現場において，教育相談の概観が明示されていないことやそれを意識する機会が少ないことが影響しているのではないかと考え，教育相談の概観を提示し，自分の教育相談に対する認識を確認，整理するような研修を計画し，その効果を検討することとした。研修は，自らの教育相談に対する認識を確認した後，他の受講者とのシェアリング，教育相談の概観を示す資料を用いた講義という流れで実施し，研修終了後に記載してもらった感想では，「教育相談に関する認識が整理された」，「新しい理解を得た」といった内容が数多く記載されていた。この経過から，教育相談の概観を明示し，それを検討する作業は，教育相談に対する教師の認識を整理したり，自らの教育相談活動を意味づけたりする機会になることが示唆された。

https://opac.ll.chiba-u.jp/da/curator/900120457/

https://opac.ll.chiba-u.jp/da/curator/900120457/S13482084-70-P169.pdf

千葉大学教育学部

Chiba University. the Faculty of Education

紀要論文

1348-2084

AA11868267

千葉大学教育学部研究紀要 = Bulletin of The Faculty of Education, Chiba University

70

169

176

2022-03-01

10.20776/S13482084-70-P169

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教育学部研究紀要