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千葉大学学術成果リポジトリ
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(
2024-06-16
14:06 集計
)
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説明
S09138137-33-P001
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980 KB
386
基本情報
データ種別:学術成果リポジトリ
タイトル
反応能力を要するコーディネーション運動後の行動選択時間の変化
タイトルの別表記
Change in behavioral selection time after COORDINATION EXERCISE requiring reactability
作成者
竹内, 敏康
木藤, 友規
中嶽, 誠
青木, 和浩
米田, 継武
作成者の別表記
TAKEUCHI, Toshiyasu
KITO, Tomonori
NAKADAKE, Makoto
AOKI, Kazuhiro
YONEDA, Tsugutake
内容
[緒言] ある目的(例えば、コーヒーカップに手を伸ばす)の動作であっても選択し得る動作軌道はいくつもあり(例えば、障害物を避けてカップを掴む)、個々の筋活動の組み合わせは無限にある(Redundancy problemまたはBernstein’s problemと呼ばれる) 13)。しかし我々は、わざわざ遠回りの軌道を選択することはなく、目標に対して最適な動作(筋活動の組み合わせ)を実行している。このように、「特定の目的動作に対して、いくつもある筋活動の組み合わせを獲得し、その中から実行すべき組み合わせを選択する」という、いわば‘制御の組織化’として、運動制御におけるコーディネーション(coordination) は定義される 6,20)。制御の組織化を目的としたコーディネーション運動やトレーニングは、一説には東ドイツをはじめとしたヨーロッパを中心に 1970年頃から行われてきたとされる 2,5,21)。一方、日本においては、近年になって日本体育協会のジュニアスポーツ養成コースに導入され 4)、現在では様々な教則本が刊行されるようになった 1,2,3,5,17,18,21)。その中では、ゲーム感覚を取り入れたものや、特定のスポーツ種目を対象として新たに開発されたコーディネーション運動など、各々で独自の工夫が施された運動課題が紹介されている 1,2,3,5,17,18)。しかし、そこで紹介されている運動課題においても 多様で複雑な動きの組み合わせを課す方式でコーディネーション運動が作成されている。最近の脳機能イメージング研究では、そのような多様性や複雑性は、本来のコーディネーションのトレーニングにおける制御の組織化という効果だけではなく、高次な運動制御機構や認知機構に関わる脳領域を賦活させる事が報告されている 16)。運動スキルのような生体の適応的な変化は、長期的な運動 の反復訓練としての‘トレーニング’の結果として得られる 23)が、このような認知機能への影響は一過性の‘運動’直後に観察されている。したがって、多様性や複雑性をもつコーディネーション の運動直後においては、錐体路系や錐体外路系のような脊髄の運動単位と直接的な関係がある制御系よりも、さらに高次な皮質活動の機能に対する 影響が顕在化するかもしれない。コーディネーションのトレーニングでは、1日の運動時間は通常15分から20分程度で計画されている 1)。このように短時間で軽度な運動であっても、コーディネーションの主たる目的(制御の組織化)とは異なる認知機構への影響は、例えば複雑なコーディネーション運動をウォーミングアップとして利用する際 17)に注意が必要である事を暗示している。つまり、筋や運動制御系に対してはウォーミングアップ効果が期待できる程度の適度な負荷であっても、認知機構に対しては過度な負荷となって疲労を引き起こし、結果としてパフォーマンスを低下させる可能性がある。したがって、認知機能への影響という観点でコーディネーション運動の副次的効果を明確に示す事は、目的に応じて最適なコーディネーション運動を計画する立場では必須の要件である。これまでに、スポーツ選手を対象として、単純 反応時間課題(simple reaction time task; SRT) と Go/Nogo 選択反応時間課題(Go/Nogo choice reaction time task; CRT) を用いて、行動選択能力という認知機能に焦点を当てた研究が行われて いる。SRTは提示された刺激に対して素早く反応するという課題であるが、CRTでは提示される刺激の違いに応じて定められた行動を実行する事が要求される。つまり、CRTでは適切な行動を選択する能力(行動選択能力)が要求される。例えば、Kidaらは、プロの野球選手はアマチュア選手に比べて単純反応時間には差がないが、Go/Nogo反応時間が短い事を報告している 12)。これは、野球のバッティングのように瞬時の判断が要求される種目においては、行動選択能力がパフォーマンスを決定する極めて重要な要因である可能性を示唆する。また、Go/Nogo課題の成否には前帯状回という大脳皮質領域の活動が関係すると報告されており 10)、さらにコーディネーション運動においても同様の領域を賦活させる事が確認されている 16)。 これらの報告は、コーディネーション運動によって、行動選択能力に関わる中枢処理が促進される可能性を示唆する。もし、コーディネーション運動が行動選択能力にも影響するのであれば、その 効果を示すことによってスポーツ活動で有用な行動選択能力を高める為の強力な手段となり得る。そこで本研究では、行動選択能力というスポーツ活動に欠かせない認知機能に焦点を当て、反応能力を要するとされるコーディネーション運動種目を行う事で、行動選択時間(behavioral selection time; BST)が影響されるかを検証した。
[ABSTRACT] The present study focused on ‘behavioral selection’, and investigated whether the behavioral selection time (BST) is altered by briefly performing coordination exercise (CE). Eighteen female basketball players participated in this study. They were asked to perform two response time tasks; a simple response time task (SRT) and a Go/Nogo choice response time task (CRT). These tasks were carried out before and after CE. We defined BST as the difference between SRT and CRT. In CE, the subjects performed five different kinds of exercise for about fifteen minutes. On SRT, the response time did not show any significant changes after CE. However, BST tended to come shorter for high performance players after CE and longer for low performance players. A significant correlation was found between BST change and performance of CE (p<0.05). Our findings show that cognitive functions, such as behavioral selection, were influenced by short-time CE, even though the simple reaction perceptual/motor system was not altered. This means that we should pay attention to the side-effect of CE and it suggests that skilled players may be able to use CE to temporarily enhance cognitive functions such as judgment and/or deciding choice of action.
ハンドルURL
https://opac.ll.chiba-u.jp/da/curator/107576/
フルテキストへのリンク
https://opac.ll.chiba-u.jp/da/curator/107576/S09138137-33-P001.pdf
公開者
千葉県体育学会
公開者の別表記
Chiba Society of Physical Education
NII資源タイプ
学術雑誌論文
ISSN
09138137
NCID
AN00241194
掲載誌名
千葉体育学研究 = Chiba Journal of Physical Education
巻
33
開始ページ
1
終了ページ
9
刊行年月
2010-07-31
著者版フラグ
publisher
カテゴリ
千葉体育学研究
その他の情報を表示
DCMI資源タイプ
text
ファイル形式 [IMT]
application/pdf
言語 [ISO639-2]
jpn
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